ヒント

  1. リズム
    幅の狭い QRS 波が先行する P 波を伴ってほぼ規則正しく打っていますが、3 拍目の後と、胸部誘導に切り替わった 2 拍目の後および記録の最後に、幅の広い QRS 波が 2 拍ずつ出ています。この幅の広い QRS 波は早いタイミングで割り込んできていて先行する P 波を伴っていないようです。 幅の狭い QRS 波に先行する P 波は I、II、aVF 誘導で陽性。心拍数は 70 ～ 80 / 分くらいでしょうか。
  2. P
    II 誘導で P 波の幅は 2 目盛（ 0.08 秒）あまり、高さは約1目盛半 （ 0.15mV）です。
  3. PQ
    PQ 間隔は約 4 目盛（ 0.16 秒）。
  4. QRS
    先行する P 波を伴っている QRS 波は幅が約 2 目盛（ 0.08 秒）。aVR 誘導以外では、I と aVL にごく小さな Q 波を認めます。胸部誘導で、R 波は V1 ～ V3 にかけて徐々に高くなっていて、S 波は V3 ～ V6 にかけて徐々に浅くなっています。V1 の S 波の深さと V5 の R 波の高さの和（ SV1 + RV5 ）は 9 + 16 = 25（ 2.5mV ）です。
  5. Axis
    肢誘導の QRS 波で、上向きと下向きの成分の大きさの差が最も少ないのは II と aVF 誘導です。
  6. ST-T
    明らかな ST-T 異常は認めません。
  7. QT
    QT 時間の延長もなさそうです。