ヒント

  1. リズム
    幅の狭い QRS 波が、何となく不規則に打っています。よく見ると P 波の数と QRS 波の数が合いません。2 拍目と 3 拍目の間、3 拍目と 4 拍目の間、5 拍目と6 拍目の間、8 拍目と9 拍目の間では、P 波だけが出ていて、それに対応する QRS 波が脱落しているようです。P 波は I、II、aVF で陽性で、約 80 / 分の速さで規則正しく打っています。
  2. P
    II 誘導で P 波の幅は約 3 目盛( 0.12 秒)、高さは約 1 目盛半( 0.15mV )です。V1 誘導の P 波を見ると±の二相性を呈しており、P 波の後半にハッキリした陰性の部分を認めます。
  3. PQ
    QRS 波が出ている部分での PQ 間隔は約 6 目盛( 0.24 秒)でほぼ一定。
  4. QRS
    QRS 波は幅が 2 目盛( 0.08 秒)あまり。Q 波については、aVR 誘導以外では、III と aVF 誘導でごく小さなものを認めるほか、V1 が QS 型になっています。胸部誘導で R 波は V1 ~ V3 にかけて徐々に高くなっていて、S 波は V3 ~ V6 にかけて徐々に浅くなっています。V1 の S 波の深さと V5 の R 波の高さの和( SV1 + RV5 )は心拍によって差がありますが 11 + 15 = 26 ( 2.6mV )前後です。
  5. Axis
    肢誘導の QRS 波で、上向きと下向きの成分の大きさの差が最も少ないのは aVL 誘導です。
  6. ST-T
    明らかな ST-T の異常はなさそうです。
  7. QT
    QT 時間の延長もなさそうです。