ヒント

  1. リズム
    正常の幅のQRS波が不規則に打っています。QRS波には2種類あり、片方(記録の1、 4、6、8拍目)のQRSは先行するP波を伴っているようですが、もう一方のQRSは先行するP波を伴っていません。このP波を伴っていないQRS波は、何れも一つ前のQRS波から約36目盛(1.44秒)の間隔で出ているようです。 QRSの心拍数は平均すると49/分 になりますが、P波は20~22目盛間隔(68~75/分)で規則正しく出ているように見えます。

  2. II 誘導のP波は幅が2目盛り半(0.10秒)強、高さが2目盛り(0.2mV)弱です。V1のP波が+/-の二相性になっています。
  3. PQ
    PQ間隔は、計測できる波形(1、4、6、8拍目)では5目盛半(0.22秒)前後。
  4. QRS
    先行するP波を伴っているQRS波(1、4、6、8拍目)の幅は2目盛(0.08秒)強。aVR以外では大きなQ波(異常Q波)を認めません。胸部誘導でR波はV1~V4にかけて徐々に高くなっており、逆にS波はV3→V6へ進むにつれて徐々に浅くなっています。V1のS波の深さとV5のR波の高さの和(SV1+RV5)は3+14=17mm(1.7mV)です。 先行するP波を伴っていないQRS波(2、3、5、7、9拍目)の幅は2目盛(0.08秒)。先のP波を伴っているQRS波とは多少形が違うようです。
  5. Axis
    先行するP波を伴っているQRS波(1、4、6、8拍目)で、肢誘導でR波とS波の大きさの差が最も少ないのはaVR誘導です。
  6. ST-T
    明らかなST-T変化はなさそうです。
  7. QT
    QT時間は読みにくいところもありますが、明らかな延長はなさそうです。