ヒント

  1. リズム
    正常の幅のQRS波が、先行するP波を伴ってほぼ規則正しく打っています。P波はI、II、aVFで陽性ですから正常洞調律と考えられます。心拍数は90/分程度でしょうか。

  2. II 誘導でのP波の幅は2目盛半(0.10秒)あまり、一部で二峰性の形をしています。高さは約1目盛半(0.15mV)。V1誘導のP波は陰性になっています。
  3. PQ
    PQ間隔は4目盛(0.16秒)弱くらいでしょうか。
  4. QRS
    QRS波は幅が約3目盛半(0.14秒)ほど。V1、 V2 でQR型を呈しており、QRS波の後半に幅の広い大きなR波が出ています。また、四肢誘導を見てもQRSの後半の幅が広くなっているのが判ります。 V1~V4で深いQ波を認め、V5、V6 のR波が低くなっています。
  5. Axis
    肢誘導でR波とS波の大きさの差が最も少ないのはII 誘導とaVR誘導です。

    今回の心電図はQRS幅が正常上限を超えていることから、心室の興奮が異常(正常の刺激伝導系を逸脱した興奮)と判断できますので、ST-TやQTに関しては所見を拾っても意味がありません。