ヒント

  1. リズム :整 / 不整,心拍数
    QRS波が先行するP波を伴ってほぼ規則正しく打っていますが、9拍目(胸部誘導に切り替わって3拍目)だけは少し早いタイミングで(早期性をもって)出ています。この波形のQRSの形は他のQRSとほぼ同じで先行するP波を伴っているようです。その他のQRS波に先行するP波はⅠⅡaVFで陽性ですから基本的には洞調律と考えられます。
  2. P:幅と高さ
    II 誘導でのP波の幅は2目盛(0.08秒)弱、高さは1目盛(0.1mV)です。
  3. PQ:PQ時間
    PQ間隔は4目盛半(0.16秒)くらいでしょうか。
  4. QRS:QRS時間,形と高さ
    QRS波は早期性のあるものも含め何れも幅が約2目盛(0.08秒)でaVR以外では大きなQ波を認めません。胸部誘導でR波はV1~V4にかけて徐々に高くなっており、逆にS波はV1→V6へ進むにつれて徐々に浅くなっています。
  5. Axis:電気軸
    I とaVFでQRSが上向き、R波とS波の大きさの差が小さいQRS波はIII誘導です。
  6. ST-T:ST変化,陰性T波
    明らかなST異常はなさそうです。T波も Ⅲ、aVR、V1以外の全ての誘導で陽性です。
  7. QT:QT時間 / QTc
    II 誘導でみるとQT時間は9目盛(0.36秒)程度。これを先行RR間隔で補正したQTcは0.37になります。