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- リズム
幅の広いQRS波が規則正しく速く打っています。ハッキリとしたP波は見当たらず、洞調律ではなさそうです。心拍数は約120/分で頻拍です。 - P
P波はどこにあるのかハッキリしません。
- PQ
P波がハッキリしないためPQ間隔は読めません。
- QRS
QRS波は幅が約4目盛(0.16秒)ほどで、正常上限の0.10秒よりかなり長くなっていることから、心室の異常興奮が起こっている事が判ります。また、この異常興奮は先行するP波を伴わず、約120/分の速さで規則正しく打っています。 以上よりこの規則正しい頻拍は、心房興奮とは無関係な心室の異常興奮によるものと考えられますから、心室頻拍であると診断できます。
- Axis
肢誘導でR波とS波の大きさの差が最も少ないのは II 誘導ですから、おおよそその電気軸は-30度です。
ということで今回の心電図は、心室頻拍(ventricular tachycardia:VT)という診断になります。心室頻拍の状態は心臓のポンプ機能が破綻している可能性がありますから、緊急処置が必要です。心電図を前にして難しく考えるのではなく、「幅の広いQRS波の頻拍」を見ればまず心室頻拍を疑うようにしておきましょう。
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