ヒント

  1. リズム
    正常の幅の QRS 波が先行する P 波を伴ってほぼ規則正しく打っていますが、四肢誘導の 4 拍目から胸部誘導に切り替わった後の 5 拍目までの 11 拍は幅の広い波形が速く打っていて、先行する P 波を伴っていないようです。
    P 波は II 誘導で平坦で aVF で陰性です。正常の幅の QRS の部分の心拍数は約 65/分、幅の広い波形の部分の心拍数は約 180/ 分といったところでしょうか。
  2. P
    II 誘導の P 波は平坦で、幅は約 2 目盛（ 0.08 秒）です。
  3. PQ
    PQ 間隔は 3 目盛（ 0.12 秒）あまりでしょうか。
  4. QRS
    正常の形の部分の QRS 波は幅が約 2 目盛（ 0.08 秒）。 aVR 誘導以外では III と aVF 誘導でごく小さな Q 波を認めます。胸部誘導で R 波は V1 ～ V3 にかけて徐々に高くなっていて、S 波は V3 ～ V6 に進むにつれて徐々に浅くなっています。 V1 の S 波の深さと V5 の R 波の高さの和（ SV1 + RV5 ）は 9+13=22（ 2.2mV ）です。
    記録途中で速く打っている QRS 波の幅は約 3 目盛（ 0.12 秒）。
  5. Axis
    正常幅の肢誘導で QRS 波の上向きと下向きの成分の大きさの差が最も少ないのは III と aVL 誘導です。
  6. ST-T
    正常幅の QRS 波では、明らかな ST-T 異常はなさそうです。
  7. QT
    QT 時間の延長もなさそうです。