ヒント

  1. リズム
    幅の狭い QRS 波がちょっと不規則に打っています。QRS 波は、四肢誘導でも胸部誘導でもそれぞれ 2 種類の形がみられます。II 誘導を見ると、背の低い方の QRS 波は先行する P 波を伴っているようですが、背の高い方の QRS 波の直前には P 波がなさそうです。P 波は I、II、aVF で陽性。心拍数は平均 43/分( 6 拍 / 8.3 秒×60 = 43.4 )。
  2. P
    II 誘導の P 波は幅が 2 目盛( 0.08 秒)あまり、高さが約 2 目盛( 0.2mV )です。
  3. PQ
    PQ 時間は心拍によって変化しており、II 誘導の背の低い QRS 波で見ると 5 目盛( 0.20 秒)~ 8 目盛( 0.32 秒)。
  4. QRS
    QRS 波は、四肢誘導でも胸部誘導でもそれぞれ 2 種類の形がみられますが、いずれも幅は約 2 目盛( 0.08 秒)あまり。aVR 誘導以外では、明らかな Q 波を認めません。胸部誘導では、2 種類の QRS 波のうち片方は V1 で RR ‘ 型をしており、またもう一方は通常の形で、その R 波は V1 ~ V3 の順で高くなっていて、また S 波は V4 ~ V6 にかけて徐々に浅くなっています。この QRS 波の V1 の S 波の深さと V5 の R 波の高さの和( SV1 + RV5 )は心拍によって多少差はありますが 12 + 15 = 27 ( 2.7mV )です。
  5. Axis
    肢誘導で先行する P 波を伴った QRS 波をみると、上向きと下向きの成分の大きさの差が最も少ない波形は I と aVL 誘導です。
  6. ST-T
    明らかな ST-T 異常はなさそうです。
  7. QT
    QT 時間の延長もなさそうです。