ヒント

  1. リズム
    幅の広い QRS 波が先行する P 波を伴って規則正しく打っているようですが、1 拍目と 5 拍目および 8 拍目の後の部分で RR 間隔が間延びしています。P 波は I、II、aVF で陽性。QRS 波が規則正しく出ている部分の心拍数は 80 / 分くらい。
  2. P
    II 誘導の P 波は幅が 2 目盛半( 0.10 秒)あまり、高さが約 2 目盛( 0.2mV )です。
  3. PQ
    PQ 時間は心拍によって変化しており 4 目盛半( 0.18 秒)~ 7 目盛( 0.28 秒)。
  4. QRS
    QRS 波は幅が 3 目盛半( 0.14 秒)。V1 の QRS 波をみると rR´ パターンを呈しており、この R´ のために QRS 幅が広くなっています。肢誘導の QRS 波も、その後半で幅が広くなっているのが判ります。aVR 誘導以外では、I と aVL でごく小さな Q 波を認めます。V5 の R 波の高さは 15 ~ 17mm ( 1.5 ~ 1.7mV )です。
  5. Axis
    肢誘導の QRS 波で、上向きと下向きの成分の大きさの差が最も少ないのは II 誘導です。

    今回の心電図は QRS 波の幅が正常上限を超えて広くなっており、心室の異常興奮(正常の刺激伝導系を逸脱した興奮)と判断できますから、ST-T や QT に関しては所見を拾っても意味がありません。