第97回　ヒント

ヒント

1. リズム
   幅の広い QRS 波が先行する P 波を伴ってほぼ規則正しく打っています。ただ、2 拍目の QRS 波だけは、やや早いタイミングで出ているようです。P 波は I、II、aVF で陽性。心拍数は約 75/ 分。
   
2. P
   II 誘導で P 波の幅は 2 目盛（ 0.08 秒）あまり、高さは 2 目盛（ 0.20mV ）弱です。
   
3. PQ
   PQ 間隔は約 5 目盛（ 0.20 秒）。
   
4. QRS
   QRS 波は幅が 3 目盛半（ 0.14 秒）とかなり広くなっています。四肢誘導では aVL 以外の誘導で、胸部誘導では V1 以外の誘導で、QRS 波の直前にハッキリした大きなスパイク状の波形を認めます。
   
5. Axis
   肢誘導で QRS 波の上向きと下向きの成分の大きさの差が最も少ないのは I と aVR 誘導です。
   
   今回の心電図は、QRS 幅が正常の正常上限を超えていることから心室の興奮が異常（正常の刺激伝導系を逸脱した興奮）と判断できますので、原則として ST-T や QT に関しては所見を拾っても意味がありません。