ヒント

  1. リズム
    ほぼ正常の幅の QRS 波が、先行する P 波を伴って規則正しく打っていますが、5 拍目の後、ちょうど四肢誘導から胸部誘導に切り替わる直前で、幅の広い QRS 波が P 波を伴わずに割り込んできています。P 波は I、II、 aVF 誘導で陽性。心拍数は 60/分あまり。
  2. P
    II 誘導で P 波の幅は 2 目盛（ 0.08 秒）強、高さは約 2 目盛（ 0.20mV ）です。
  3. PQ
    PQ 間隔は約 5 目盛（ 0.20 秒）。
  4. QRS
    QRS 波は幅が約 2 目盛（ 0.08 秒）。I と V4～V6 誘導で幅の狭い Q 波を認める他に、II、III、aVF 誘導で幅が広くて深い Q 波を認めます。胸部誘導の R 波は、V1、V2 の順に高くなっていて、S 波は V2、V3 の順に浅くなり V4～V6 ではなくなっています。V1 の S 波の深さと V5 の R 波の高さの和（ SV1＋RV5 ）は 19＋38=57mm （ 5.7mV ）です。
  5. Axis
    肢誘導で R 波と S 波の大きさの差が最も少ないのは III 誘導と aVF 誘導です。
  6. ST-T
    明らかな ST 異常は認めませんが、T 波は II、III、aVF 誘導で陰性になっています。
  7. QT
    明らかな QT 時間の延長はありません。