ヒント

  1. リズム
    正常の幅の QRS 波が先行する P 波を伴ってほぼ規則正しく打っています。P 波は I、II、aVF で陽性。心拍数は 75/分弱といったところでしょうか。I、II、aVR 誘導の波形が少し毛羽立つっているのが気になります。
  2. P
    II 誘導は波形が毛羽立っていて見難いのですが、P 波の幅は 2 目盛半（ 0.10 秒）、高さは約 1 目盛半（ 0.15mV ）弱です。V1 の P 波を見ると ± の二相性を呈しており、P 波の後半にハッキリした陰性の部分を認めます。
  3. PQ
    PQ 間隔は 4 目盛（ 0.16 秒）強くらいでしょうか。
  4. QRS
    QRS 波は幅が約 2 目盛（ 0.08 秒）。aVR 誘導が QS 型のなっている以外は明らかな Q 波を認めません。V1 の波形は心拍によって QS 型に見えるものもありますが、半数の波形にはごく小さな R 波があるようです。胸部誘導で R 波は V1～V3 にかけて徐々に高くなっていて、S 波は V3～V6 に進むにつれて徐々に浅くなっています。V1 の S 波の深さと V5 の R 波の高さの和（ SV1+RV5 ）は 9+18=27 （ 2.7mV ）です。
  5. Axis
    肢誘導で QRS 波の上向きと下向きの成分の大きさの差が最も少ないのは aVF 誘導です。
  6. ST-T
    III 誘導で T 波が平坦になっていますが、明らかな ST-T 異常はなさそうです。
  7. QT
    QT 時間の延長はなさそうです。