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- リズム
正常の幅のQRS波が先行するP波を伴って打っていますが、RR間隔が一定ではありません。心拍数は速いところで120/分程度、遅いところでは68/分程度で、平均すると90/分あまりでしょうか。P波はI、II、VF誘導で陽性で、P波の形は速いところと遅いところで変化していないようです。
P波がI、II、aVF誘導で陽性で形が変化していないことから、この心電図は洞調律と考えられますが、よく見ると速く打つところとゆっくり打つところが5.5秒あまりの周期で交互に出ています。このような心拍数の周期的な変動のほとんどは呼吸によるもので、呼吸性不整脈あるいは洞性不整脈と言います。 - P
II 誘導のP波は幅が2目盛り半(0.10秒)弱、高さは1目盛り(0.1mV)前後です。いずれも正常範囲内で、左房負荷や右房負荷はなさそうです。
- PQ
PQ間隔は約4目盛り(0.16秒)ですから、房室伝導は正常です。
- QRS
QRS波は幅が約2目盛(0.08秒)で、aVR以外では明らかなQ波を認めません。胸部誘導でR波はV1からV4にかけて徐々に高くなっており、S波は逆にV2からV6へ進むにつれて徐々に浅くなっています。V1のS波の深さとV5のR波の高さの和(SV1+RV5)は20+12=32mm(3.2mV)で左室肥大もありません。
- Axis
肢誘導でR波とS波の大きさの差が最も少ないのはaVL誘導ですから、おおよそその電気軸は+60度です。
- ST-T
明らかなST-T異常はなさそうです。
- QT
明らかなQT時間の延長はなさそうです。
ということで今回の心電図は 洞性(呼吸性)不整脈 という診断になります。 思春期前後の比較的若い人や高齢者でよく見られる所見です。
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